松川第三発電所2号水車発電機 


【松川第三発電所】

所在地:長野県飯田市上飯田8127-5 (マップコード:143 122 308)  Mapion

取 水:天竜川水系松川     放 流:松川

出 力: 580 kW

 

大正13.10 運転開始[伊那電気鉄道(株)](1,040kW)

昭和17.4 移管[中部配電(株)]

昭和26.5 移管[中部電力(株)]

昭和47.12  認可出力変更(1,040 → 1,000kW)

昭和61.12  発電機電圧昇圧(3.3kV → 6.6kV)

平成14.2  2号水車発電機廃止(1,000 → 580kW)

 

【天竜川総合学習館「かわらんべ」】

所在地:長野県飯田市川路 (マップコード:313 713 639)   Mapion 

 


2号水車発電機

 

飯田市川路にある,天竜川総合学習館「かわらんべ」の敷地内に

松川発電所2号水車発電機が展示してありました。

屋根が掛けられ,基礎もしっかりと造ってあります。

学習施設として認められている水車発電機です。

 

 

 

 

水車

 

 水車は横軸単輪単流フランシス水車です。

 ケーシングと吸出管(ドラフト)が展示用にカットされています。

上部の丸い穴は内部点検用のハンドホールです。

ドラフトを水車主軸が貫通していますが,

貫通部は封水機能を持たせてあり,外部に水が漏れないように

なっています。

 

 

 

 

 

ランナとガイドベーン

銀色に見える部分がランナです。

ランナの周囲を取り囲むように16個のガイドベーンが並んでおり,

リンク機構によりガイドリングにつながっています。

ガイドリングが動くことにより,全ガイドベーンが同時に角度を変え,

ランナに流入する水の量を調節します。

ランナの円周方向から流入した水は,ランナを通過しながら90度

向きを変え,軸方向に出て行きます。この時,ランナに回転力を与えます。 

この写真ではランナは右回り(時計回り)に回転することになります。

 

 

 

 

水車銘板

水車

型:FSS  式:H

最大出力:1000 馬力

有効落差:213 尺

最大水量:52.5 毎秒立方尺

軸回転数:750 毎分

製品番号:501184  大正12年

東京  日立製作所 

 

発電機とフライホイール

発電機

 発電機は水車と主軸で直結されており,

間にはフライホイールが設けられています。

発電機もカバーがカットされており,

回転子(ローター)が見えます。

ローターは8極で,60Hzで使用する場合は

900回転/毎分です。 

 

 

 

 

 

 

発電機とコレクタリング 発電機を水車と反対側から見たところです。

ローターと固定子(ステータ)が見えます。

軸に付いている2つの銀色のリングは,ローターに界磁電流を

供給するためのコレクタリングです。

発電機と同一軸上に設置された励磁機(エキサイタ),または

別置の励磁用整流器からブラシを通じてローターに直流界磁

電流を供給します。 

 

 

発電機銘板

交流発電機

TYPE:SEBD  FORM:RE  K.V.A:600 

PHASE:3   P.F:.85      R.P.M:750

CYCLES:50       DATE:1923   

VOLTS:3500          AMP'S:99

STYLE NO:       NO:99976

東京  日立製作所

 

 

発電機修理銘板

交流発電機

製番:99976  規格:JEC-114(1964)

出力:600KVA 電圧:3300/6600V 電流:105/52.5A

相数:3  極数:8  回転数:900(750)  周波数:60(50)

力率:85% 絶縁階級:6号  絶縁ノ種類:B

接続法:2Y/1Y  製造者:HITACHI

昭和53年9月改造修理  試験番号:784932

日本工営株式会社

 

案内板

 水力発電のしくみや松川第三発電所についての

解説が書かれた案内板が整備されています。

さすがに「天竜川総合学習館」というところでしょうか。

 

(調査日:2008.8.26)  

 

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