小里川第三発電所跡
所在地: 岐阜県瑞浪市陶町大字猿爪字沢尻1071-73 (マップコード: 98 293 354 ) Mapion
取 水: 庄内川水系小里川 放 流: 小里川
出 力: 200 kW
大正14.9 運転開始[中部電力*](旧称「第四」)
大正15 改称(「小里川第三」)
昭和5? 移管[中部電力**]
昭和? 移管[中部合同電気]
昭和17? 移管[中部配電(株)]
昭和26.5 移管[中部電力(株)]
平成5.3.1 廃止(国交省小里川ダム建設による)
* 現在の中部電力とは異なる。多治見に本社
** 現在の中部電力とは異なる。岡崎に本社
小里川ダム湖の湖畔,「道の駅 おばあちゃん市 山岡」の広場に,
水車と発電機が展示してありました。
発電所は小里川ダム湖の底に沈みましたが,水車発電機は移設されて
ここで余生を送ることになりました。
化粧直しと展示のためのカットがされています。
雨ざらしではなく屋根が掛けられており,保存に気を遣っていることが
うれしくなります。
水車と発電機を間近で見られる機会は少ないので,
こうして間近に見,触れることで機器の仕組みや雰囲気を
知ることができます。
フランシス水車のガイドベーン,水車と発電機の間にある
フライホイール,発電機の内部の様子が見てとれます。
発電機の銘板です。
ALTERNATING CURRENT GENERATOR
No.4018588 I.S 350082-35
TYPE ATB 8-250-900 FORM P
P.F .8 PHASE 3 AMPERES 41.3
KW 200 VOLTS 3500 SPEED 900
CYCLES 60 CONTINUS 50℃
GENERAL ELECTRIC CO
SCHENECTADY. NY. USA
水車の銘板です。ペルトン社製ですが,フランシス水車です。
水車発電機の傍らには,案内標識が整備されていました。
発電所の歴史や,水車発電機の構造などがわかります。
道の駅には,小里川第三発電所の前にあった與運橋が移設されていました。
與運橋は石造りのアーチ橋で,橋脚部分には大胆に自然石を利用しており,
独特の美しさがあります。
ダム湖に沈むはずだったところを,文化財に指定されここに移設されました。
保存されたことは素晴らしいことですが,一方で渡る人のいない橋はちょっと
寂しそうに思えてしまうのは私だけでしょうか。
與運橋についての案内板です。
山岡町は合併により現在は恵那市の一部です。
発電所があったのは左岸の瑞浪市ですが,移設された道の駅は右岸の
恵那市です。
小里川ダム湖の上流側に堰堤が残っていました。
しっかりとしたつくりです。
雨上がりではありませんでしたが,水は濁っていました。
この地方に多い,陶土に適した粘土質の土によるものと
思われます。
取水口跡は左岸側にありました。
木が茂っていて隠れていますが,格子状のスクリーンが見えています。
水路の石垣もしっかりとしていました。
(調査日:2007.10.19)