関の沢発電所跡
所在地:静岡県静岡市葵区梅が島525-8 (マップコード:483 552 543) Mapion
取 水:安倍川水系関の沢川 放 流:関の沢川
出 力: 25kW
大正13.7 運転開始[梅ヶ島電業所]
昭和17.4 移管[中部配電(株)]
昭和26.5 移管[中部電力(株)]
昭和30.5 休止
昭和36.7 廃止
関の沢川を遡ると,高さ約2mの堰堤が見えてきました。
堆砂が進んだ砂防ダムのような感じで,貯水という言葉を使うことは
できそうもありません。
水はとても澄んでいます。
堰堤の右岸側に取水設備の石垣が見えます。
取水された水は,写真左側の沈砂池でゆっくりと流れるうちに砂を沈殿させます。
沈砂池の脇には排砂門がありますが,これだけ堆砂が進むと機能しないかもしれません。
取水口や排砂門の大きさの割に石垣が高いのは,取水口や排砂門のゲートが上下するための
レールとスペースと設ける必要があるためです。
沈砂池の石垣を川側から見たところです。
石垣はしっかりとしており,まだまだ十分実用に耐えられそうです。
沈砂池に溜まった土砂を排出するためのゲートです。
手動式のゲートですが,操作ハンドルを固定するための枠は傾いており,ゲートを持ち上げる際の重さを支えることが
できるかどうかは疑問です。
沈砂池を出た水は水路を流れていきます。
ゆるやかで澄んだ流れです。
発電所は廃止されていますが,農業用水などに今も使われているようです。
水路の途中に,流量調節と沈砂の目的で中間水槽が設けられています。
オーバーフローは写真左側へ流れていきます。
発電所への水は,写真右上方へ管路で流れていきます。
水路は地上に現れ,写真中央をまっすぐ奥へのびていきます。
周囲はのどかな山村風景がひろがっています。
水路は奥の上水槽に続いていますが,現在は手前で塞がれ左右に埋め込まれたパイプによって
田畑に配水されているようです。
上水槽は草に埋もれて詳細を見ることはできません。
蓋の鉄枠がかろうじて確認できます。
上水槽を下から見上げたところです。
下部に一部崩れかけたtころがありましたが,全体的にはしっかりとしており,
使われていた当時の様子をうかがい知ることができます。
水圧鉄管が残っていました。
直径約60cmの鉄管が上水槽から下へ向かってのびています。
水槽から約15m下方に発電所の建物が見えてきました。
本体は木造でトタン屋根のようです。
壁が壊れてオープン状態だったので,外から内部の様子が見えました。
水圧鉄管の末端が口を開けています。
水圧鉄管に近い方の基礎(枡のような箱が載っている部分)に水車が据えられていたものと思います。
木の板の下は放水口になっているのでしょう。
手前の基礎が発電機の物と考えられます。
水車と発電機が回っていた頃の様子が想像できる発電所跡でした
(調査:2008.2.8)