玉川発電所跡 


所在地:静岡県静岡市葵区大沢 (マップコード:483 185 199)  Mapion

取 水:安倍川水系西河内川     放 流:西河内川

出 力: 50kW

 

  

大正15.12  運転開始[玉川水電利用組合](旧称「横沢川」)

昭和17.4  移管[中部配電(株)]

昭和19.1 改称(「玉川」)

昭和20.1 休止

昭和26.5  移管[中部電力(株)]

昭和27.10  廃止 


  記念碑

場所がわからず,近くの畑で作業していたおばあさんに場所を尋ねると,

親切に車に同乗して近くまで案内してくれました。

川沿いの細い道を上流に向かって辿ると,林の中に石碑が見えてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

記念碑

 おばあさんの話によれば,この場所に発電所があり,

地域に電気を送っていたとのことです。

 現在は杉林と竹林に覆われて発電所の面影は留めていません。

 

 

 

 

 

 

 

  

記念碑タイトル?

「拓電之碑」でよいのでしょうか?左上の文字の読み方が

はっきりわかりません。

 

 

 

 

 

 

 

記念碑正面

記念碑背面

記念碑正面と背面です。

背面には,発電所を建設した組合の

理事の名前が刻まれていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

水圧鉄管跡?

記念碑から山側を見たところです。

この方向に水圧鉄管があったということですが,今では

形跡は確認できません。

 

 

 

 

 

 

 

 

放水口

石碑のある段から川原へ下りて振り返ってみると,

河岸の斜面に放水口跡がありました。

唯一といってもよい発電設備の跡でした。 

 

 

 

 

 

 

放水口アップ

放水口に近づいてみました。

幅約300mm,高さは約500mmです。

 

 

 

 

 

 

 

川のようす

放水口跡のある地点から川の上流を見たところです。

上流部らしく,大きな岩がゴロゴロとしており,荒々しい印象を受けました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石碑文面

読み慣れない旧漢字を解読してみました。

 

文化ノ趨勢ハ電力ノ供給公急ナルヲ知ル惟フニ我玉川ハ
集燈ニ委シ不便尠シトセズ恒ニ深憂措カサルナリ大正十三
年十月偶村長狩野角治郎氏發電工作上司関係ノ要ヲ審査研
究シ産業組合施設玉川水電利用組合ノ事業創立トシ組合員
協力ニ勗メタルニ發電相地異見起リシモ不調當初ノ目的遂行
ハ大衆的ノ驍望ナリ 大正十五年十二月一日竣成發電明煌々
タル強度ノ鮮光ヲ放ツニ至レルハ是ニ翼賛各員ノ努力ニ因ルモ
氏カ熱心臥薪嘗胆ノ労苦及ヒ関係諸士ノ功亦シトセズ 今ヤ
茲十週年ニ當リ聊カ其大略ヲ記シテ後昆ニ傳ヘントス
 電燭明於書 燦乎眩惑生 家庭無小暗 偕力勿慚行
    昭和十一年十二月一日

       静岡縣安倍郡玉川水電信販購利組合

 

一部旧漢字を現代の漢字に直してあります。

人々の暮らしを良くするために発電所を造って電気の明かりを灯した

人たちの熱意に想いを馳せ,

調査にあたっては地元の人の温かさに触れることができた

有意義な調査でした。(調査:2008.3.28

 

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