矢伏発電所跡
所在地:岐阜県恵那市明智町下ヶ淵 (マップコード:368 422 133) Mapion
取 水:矢作川水系明智川 放 流:明智川(三濃発電所?)
出 力: 50→65kW
明治40.10.11 着工[明智町営]
明治41.1.27 仮使用認可
明治41.2.1 開業(50kW)
大正11.6 増設(65kW)
昭和18.3 移管[中部配電(株)]
昭和26.5 移管[中部電力(株)]
昭和42.8 休止(設備老朽化)
昭和43.6 廃止
矢作川の支流,明智川に沿って県道11号(豊田明智線)を北上すると,
対岸(明智川右岸に水路跡らしきものが見えてきました。
川に比べて緩やかな勾配で落差を得るための水路ではないでしょうか。
近隣では有名な観光スポット「大正村」の下流約1.5kmのところに堰堤の遺構を
発見しました。
道路のすぐ側を川が流れているので,比較的見つけやすい遺構です。
取水は堰堤の右岸側から行っていたようです。
写真右手が上流です。
取水口のアップです。
手前の石づくり部分を越流した水が草むした部分から取水されて水路(写真左方)に
流れていくしくみのようです。
堰堤は一部が壊れています。洪水時などに破損したものか,発電所廃止後
流下の障害とならないよう一部撤去されたものか,経緯は不明です。
水量は結構多いように感じます。
このように条件に恵まれて,町民に電気の恩恵をもたらす発電所を町営で興すことにしたのでしょう。
堰堤から約700m下流に発電所の敷地跡があります。
石垣が見えます。
対岸(道路側)には,明智町クリーンセンター(下水処理場)があり,
敷地内には入れないため,発電所跡地の正面の対岸に立つことはできませんでした。
川の中を歩くことは不法侵入ではないので,クリーンセンター下流から川の石を飛んで
対岸に近づきました。
沢の湧水でしょうか,石垣から川に流れて込んでいます。放水口は確認できませんでした。
ひょっとすると,通常は川に放水せず,そのまま下流の発電所へ送水していたのかもしれません。
機会があれば,装備を十分にして対岸の様子も見てみたいものです。
(調査:2007.5.14)