旧八百津発電所資料館
所在地:岐阜県加茂郡八百津町 (マップコード: 98 784 291 ) Mapion
取 水:木曽川水系 放 流:木曽川
出 力: 7,500 kW → 9,600kW
明治44.12 木曽川発電所竣工[名古屋電燈(株)]
大正 6.1 放水口発電所増設,八百津発電所と改称
昭和49.3 運転休止
昭和50.6 八百津町重要文化財に指定
昭和52.11 岐阜県重要文化財に指定
昭和53.5 八百津町郷土館として開館
平成10.5 国の重要文化財に指定(本館・放水口発電所ほか) 旧八百津発電所資料館として開館
平成17.7 国の需要文化財に追加指定(貯水槽・余水路・敷地)
平成19.9 地域活性化に役立つ近代化産業遺産(経済産業省)に認定
駐車場から階段を下ると,資料館の入口が見えてきました。
入館料は一般320円です。
私が訪れたのは土曜日でしたが,他に入館者はいないようで,
館内は静けさに包まれていました。
受付で入館料を払うとホールになっています。
古い電気機器や天井の碍子などが独特の雰囲気を醸し出しています。
窓際で一際目立っているのは,3台の計器用変圧器(PT)です。
各相2本のブッシングが突出しており,一瞬遮断機かと
思えますが,片側のブッシングは3相短絡されており,
星形結線されています。
(運転中もこの結線だったかどうかは定かではありませんが・・・)
ブッシング頭部には絶縁油が入っています。
(だいぶ劣化して黒化していますが。)
日立のマークが見えます。
計器用変圧器 JEC-45
TYPE:OEL FORM:MC
PHASE:1 CYCLES:60
P.V.A:200 P.V:77000
S.V.A:200 S.V:110
T.V.A:200 T.V:110
W. DATE:1937
NO.:2057105
東京 日立製作所
入口のモニュメントは避雷器のようです。
銘板は次の写真のようでした。
私よりも年長の機械でした。
製造番号の末尾 -2 は三相分製造の2台めなのでしょうか。
制弧避雷器
型:009-200 JEC-131
公称電圧:70000 V
商用周波許容端子電圧:98000 V 重量:450 kg
新案番号:
製造番号:45090-2 製造年:1959
ホールの中でもう一つ目を引くのは単相変圧器3台です。
変圧器の高さは約2mほどもあります。
単相変圧器 自冷式 屋内用
機器番号:3718680
型式:内鉄型 S-BHD-2 周波数:60
出力:250kVA 温度上昇:55℃
電圧: 高圧6600/6300/6000 V 低圧:3500V
インピーダンス電圧:5.15 AT 27℃ 極性:減極性
油量:1100L 中味重量:1150kg 総重量:2950kg
接続表 | ||
---|---|---|
電圧 | 電流 | 端子間 |
F6600 | 379 | U1,V1 |
F6300 | 397 | U1,V2 |
R6000 | 416 | U2,V2 |
R3500 | 715 | u,v |
現在は東京に本社を置いていますが,高岳製作所の発祥は名古屋であり,名古屋市内の高岳という
地名が社名の由来のようです。3,500Vという電圧は当時の配電線電圧でしょうか?
屋内設置,3相計750kVAの容量だったようです。
2階に上ってみると,八百津町の歴史についての
展示と,かつての電力設備の双方が展示されていました。
写真は断路器と壁貫ブッシングです。
発電機で発生した電力を送り出す設備です。
展示室に差し込む光の明るさと,窓から遠い部分の
陰影が対象的で,落ち着いた雰囲気です。
(調査:2012.5.27)