旧八百津発電所資料館 2
いよいよ水車発電機室に降りてきました。
3台の水車発電機が並んでいます。
手前の1台は水車の1部が取り外され,
内部が見えるようになっています。
撮影者が立っている位置が予備機があった場所で,
現在は木曽川の筏流しの展示が置かれています。
予備機は北陸電力 足羽発電所で現在も運転中とのことです。
発電機のローター(回転子)の構造がよくわかります。
「電磁石」という紙が貼ってありますが,コイルに直流
電流を流して電磁石とし,ステーター(固定子)の中を
回転させることで発電します。
発電機のベースには,
GENERAL ELECTRIC COMPANY
の文字が見えます。
交流発電機
No.121003 PHASE:3
TYPE:TAF POLES:20 K.V.A:4375
R.P.M:360 FORM: VOLTS:6600
AMP.:384 CYCLES:60 P.P:.80
EXITER VOLTS:125
株式会社 芝浦製作所
巻替え後の銘板ということになります。製造番号の末尾がこの発電所での機番になっているようで,これは3号機です。
発電機と水車の間に,温度継電器が3つ並んでいます。
軸受の温度を読むためと,軸受温度が設定温度に上昇
したときに発電機を停止するものです。
水車発電機の主軸から細いベルトで駆動されているのは
軸受の潤滑油ポンプです。
軸受の潤滑と冷却のために潤滑油が循環されて
いたものと思われます。
水車の内部がわかるカットモデルにより
フランシス水車のランナが見えます。
この写真の向きで反時計まわりに回転します。
ケーシングの一部を外して内部構造がわかるように
してありました。
ガイドベーンはランナに送る水の量を調整するものです。
こちらはカットしていないフランシス水車です。
東京
電業社原動機製作所製
近くでみると迫力があります。
調速機です。
水量に応じて水車のガイドベーン開度を調節し,
出力を調整します。
水車発電機の運転に必要な,水・油・空気の
配管の様子がわかる系統図です。
バルブの開閉状態を表す表示器があり,
現状の水・油・空気の流れがわかるようになっています。
この系統図には移設された4号機も描かれています。
影絵式の工具掛けです。
持ち出し中の工具が一目でわかります。
機器の分解・組立作業などにおいて,
工具の員数管理は重要です。
水車室の片隅に目をやると,励磁用の
直流発電機と駆動用の水車がありました。
(八百津発電所のものではありませんでした。)
VERKSTADEN KRISTINEHAMN
SWEDEN
BOVING AND Co. LTD
HYDRAULIC ENGINEERS LONDON
英国ボービング社の製品です。
同社のスウェーデン製作所によるものです。
油圧計です。
1925年製の刻印が見えます。
DIRECT CURRENT GENERATOR
NO.359082
TYPE EV13・6・240・700 FORM A
AMP. 960 SPEED 700
VOLTS FULL LOAD 250
240KW CONTINUOUS 50℃RISE
CAUTION! BEFORE INSTALLING OR OPERATING READ INST
GENERAL ELECTRIC CO. SCHENECTADY, N.Y U.S.A
八百津発電所の2号機と3号機の間にも
かつて励磁用発電機がありました。
床面には撤去後の穴を埋めた名残が
残っていました。
運転当時の水車発電機を表したイラストです。
4台の水車発電機と中央には2台の
励磁用水車発電機が設置されています。
(調査:2012.5.27)